中3・高1で「解の公式の証明が分からない…」という方へ
確かに面倒くさいのですが、考え方は「2次方程式の平方完成」そのものなので、「平方完成」が分かれば理解の準備はできています。
この記事では東大卒講師歴20年超の図解講師「そうちゃ」が「平方完成」「解の公式の証明」を分かりやすく解説します。
記事を読んで真似すれば「解の公式の証明」はもう大丈夫でしょう♪
目次(クリックでジャンプ)
解の公式
2次方程式ax2+bx+c=0の解xは x=$\frac{-b±\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$ で導かれる。
これが解の公式(quadratic-formula)です。
練習
2x2+3x+1=0の解を求める
x=$\frac{-b±\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$ にa=2,b=3,c=1を代入して
x=$\frac{-3±\sqrt{3^2-4×2×1}}{2×2}$=$\frac{-3±\sqrt{9-8}}{4}$=$\frac{-3±1}{4}$=-3+14,-3-14=-24,-44=-1,-12
解の公式を確認したところで、証明に行きたいのですが、その前に…
証明の前提~平方完成
解の公式を導くには「平方完成」を用いるので、平方完成が完璧に分かるようにしておく必要があるので確認です
「完璧に分かるよ!」という人はジャンプして下さい
二次係数が1の場合
基本作業の確認です
(例題1)
2次方程式 x2+6x+5=0 を平方完成して解きなさい
(解説)
x2+6x+5=0
(x2+6x)+5=0 まず定数項以外をカッコでまとめる
ここで、(x2+6x+□)=(x+◇)2 にできるような□を考えると、(x2+6x+9)=(x+3)2 と思いつくでしょう。
(理屈で考えると ◇=6÷2=3 で □=◇2=9 です)
(x2+6x)+5=0 (x2+6x+9)と比べると9が足りないので…
(x2+6x+9)+5=9 9を両辺に加える
(x2+6x+9)=9-5 左辺の5を右辺に移項
(x+3)2=4 (x2+6x+9)を(x+3)2に変形
「x2+6x+5=0」が「(x+3)2=4」になりました。
これが「平方完成」でした。ここからxを求めます
(x+3)2=4
x+3=±$\sqrt{4}$ 平方根にする
x+3=±2
x=-3±2 左辺の3を移項
x=-1,-5 答えが出ました。
分かりましたね?
二次係数が1以外の場合
ちょっと手間が増えますが、これが出来れば解の公式の証明まであと一歩です
(例題2)
2次方程式 2x2+12x+4=0 を平方完成して解きなさい
2x2+12x+4=0 x2に係数2がついている
2(x2+6x)+4=0 まず定数項「5」以外を2でくくる
ここで、(x2+6x+□)=(x+◇)2 にできるような□を考えると、例1と同じく(x2+6x+9)=(x+3)2 で、左辺のカッコは(x2+6x+9)と比べると9が足りない
2(x2+6x)+4=0
2(x2+6x+9)+4=18 左辺のカッコの中に9を加えるので、右辺には9x2=18を加えることに注意
2(x2+6x+9)=18-4 左辺の4を右辺に移項
2(x+3)2=14 (x2+6x+9)を(x+3)2に変形
「2x2+12x+5=0」が「2(x+3)2=14」になりました。「平方完成」終了♪
2(x+3)2=14
(x+3)2=7 両辺を2で割る
x+3=±$\sqrt{7}$ 平方根にする
x=-3±$\sqrt{7}$ 左辺の3を移項して答えです
これでもう解の公式の証明ができます。
解の公式の証明
二次方程式の一般形「ax2+bx+c=0」を上の平方完成例2(二次の係数が1でない場合)と同じように変形していきます。
ax2+bx+c=0 x2に係数aがついている
a(x2+bax)+c=0 定数項以外をaでくくる
ここで、(x2+bax+□)=(x+◇)2 にできるような□を考えると、 ◇=ba÷2=b2a で □=◇2=b24a2 です
a(x2+bax)+c=0
a(x2+bax+b24a2)+c=b24a 左辺のカッコ内にb24a2を加えます。右辺に加えるのはaをかけたb24aになることに注意
a(x2+bax+b24a2)+c=b24a
a(x2+bax+b24a2)=b24a-c cを右辺へ
a(x2+bax+b24a2)=b2-4ac4a–4ac4a -cを4aで通分
a(x2+bax+b24a2)=b2-4ac4a 右辺を仮分数にまとめる
a(x+b2a)2=b2-4ac4a 左辺のカッコを( )2の形に
(x+b2a)2=b2-4ac4a2 両辺をaで割る
(x+b2a )=±$\sqrt{\frac{b^2-4ac}{4a^2}}$ 平方根にする
x+b2a=±${\frac{\sqrt{b^2-4ac}}{2a}}$
x=-b2a±${\frac{\sqrt{b^2-4ac}}{2a}}$ b2aを移項
x=-b2a±${\frac{\sqrt{b^2-4ac}}{2a}}$
x=${\frac{-b±\sqrt{b^2-4ac}}{2a}}$ 解の公式ができました!
証明は以上です!