高校受験用の英語単語帳のおすすめは?

「英語の単語力をつけたいけど、単語帳は何を選んだらいいの?!」という高校受験生の皆さんへ。東大卒講師歴20年の管理人が選び方をお伝えします。

1.英語の単語帳の2つのタイプ

公立に通う中3の受験生が「通っている集団塾で単語帳を渡されていない!」というので、大きな書店に行って有名どころ・amazonで評判が良いものを見てきました。
現在単語帳には従来の単語中心(上からズラーッと単語が左に意味が右に書いてある)のタイプに加えて、例文中心(ページの上にまず短めの文章があって、その下に単語と意味が書いてある)の2つの形式がありますね。大学受験の「Duo」で有名になった形式ですが高校受験用の単語帳にも増えてきたようです。例文の中に入れてCDを併用することで単語の意味をイメージしやすく、リスニングや読解力などを総合的がつきますね。個人的にも洋画のセリフは自然と覚えるので良い方法だと思います。
ただ、例文の中に単語を入れるというのは文章読解のテキストに性質が近づいていくので、もはや従来の単語帳とは使い方が異なってきます。従来のタイプ(Aとします)は教科書のようなメインのテキストがあり、その学習で覚え漏れた単語を補充的に覚えたり、復習するのに使うのに対して、例文主体のタイプ(Bとします)はそれ自体をメインテキストとして学習する。という具合でしょうか。

では、塾に通っている公立の中3の受験生が新しく買うべきはどちらのタイプか?例文中心のBタイプよりも、従来のAタイプが良いでしょうね。塾なり学校なりのメインテキストがすでにあるので単語帳はあくまで補助ですし、5科目受験するので英語だけに長時間使うわけにも行きません。全体を区切って摸試をペースメーカーにして単語を補充・復習するのが良いでしょう。

以上のような学習法を前提に、管理人が考える従来タイプの英語の単語帳の選択のポイントを書き出してみます。
ラインアップは
・中学英単語1850(学研)
・キクタン高校入試レベル(アルク)
・ターゲット1800(旺文社)
・データベース1700(桐原書店)
・グループでまとめて覚える中学英単語(旺文社)
です。

2.英語の単語帳を選ぶ基準

(1)持ち運びやすい

そもそも単語の暗記は「時間を確保して机に向かって行う」というよりは、電車の待ち時間やトイレに入っている時などのちょっとした空き時間、いわゆる「スキマ時間」を使って毎日コツコツ行うのが効率が良いですね。
そして単語帳が小さかったり薄かったりすると毎日気軽に持ち運べますから、外出中の「スキマ時間」に勉強する習慣が付きやすくなります。反対に単語帳が大きい・重いと感じるようでは気軽に持ち運べず家に置きっぱなしにしてしまい、いつまで経っても「スキマ時間」にコツコツとやる習慣がつきません。
ただ、きちんと章分けされている単語帳はカッターで「分割」することで薄く軽くできます(後述)

(2)いくつかの章に分けられている

いくつかの章に分けられていると受験生にも学習の範囲を単純に区切りやすいので、「この章から始めよう」とか、「次の試験までにこの章だけ完璧にしよう」、というふうに取り組みやすくなります。
章を分ける基準は「レベル別」「学年別」等がありますが、「レベル別」が望ましいです。なぜなら、受験は学年をまたいで全範囲から出るからです。「学年別」に分けられているものは1年生から通して使うならともかく、3年からの受験対策にはあまり向いていないと考えます。

(3)章内では何らかの秩序で並んでいる

例えば動詞・名詞などの「品詞ごと」や、似たような「意味ごと」「分野ごと」等でまとまって並んでいると、そもそも記憶に残りやすいですね。
また、ある単語の意味が正確に思い出せなくても、「catやdogと同じページにあったから、なにかの動物だろうな」というふうに付近に載っていた単語をヒントにだいたいの意味が分かることがあります。abc順やランダムに並んでいると、覚えづらいし、上記のような連想は一切働きませんのでちょっと損ですね。

(4)必要最小限で複数の意味が載っている

例えば、あるweb辞書には「Life」の意味が10個以上も載っていますが(笑)色んな意味がただ列挙してあると覚えるのが大変になるだけです。そのような多数の意味表現を公約数的にできるだけまとめた結果をいくつか示してあるのが良い単語帳です。例えば先程の「Life」の場合「生命、生物、生活」と3つにまとめて覚えるのが良いでしょう。
また動詞については、例えば「get to A:Aに着く、get C(形容詞):Cになる、get O(名詞):Oを手に入れる」のように、語法ごとの意味(というか訳し方)が載っていたりすると読解や和訳をする時に役立ちます。

(5)例文の豊富さ

例文がついているとその単語が使われる状況をイメージしやすいので記憶に残るし、読解・和訳・英作文の練習にもなる。4.で見たように意味がいくつか載っているなら、それぞれに例文があるのが望ましいです。

(6)関連語句がたくさん載っている

例えばfoolish(馬鹿な)という単語を覚える際に、名詞形のfool(馬鹿)や、同義語stupid(愚かな)・対義語wise,clever(賢い)などの関連語句も一緒に見ておけば、繰り返し学習する間に自然に記憶に定着していくので非常におすすめな学習法です。
意味の場合と違って、関連語句は多く載っていればいるほどオススメです。

(7)知識事項のまとめ

たいていの単語帳は本の一番前などに「前置詞のまとめ」や「不規則動詞の活用」など文法事項や「発音記号の読み方」「重要熟語」などがまとめてあります。この量が多い単語帳を使っていれば1・2年の文法復習をしたい時や試験直前の見直したい時にこの一冊で済むので、非常に便利です。
参考書や問題集は少ない種類のものを何度も繰り返すのが良いとされています。その方が定着度が高まって実際の試験で使えるようになるからです。

(8)索引の使いやすさ

単語帳は1.で見たように気軽に持ち運ぶ性質上、簡易的な辞書代わりに使うことがあります。そして、いざ索引で調べた時に該当ページが何ページもあるのではうんざりして勉強のやる気が削がれてしまいます。一つの単語の主要な意味や用例は一箇所にまとめてあるのが学習効率が良いのでおすすめです。

(補足)

単語帳で意味を調べるやり方は、実は理にかなっているのです。よく「わからない言葉があったら辞書を引きなさい」と言われますが、試験では意味が分からない単語が絶対に出てきますが辞書を引くことはできません(笑)。ですから分からない単語があった時には意味を類推する癖をつけないと、いつになっても長文読解に刃が立たたないのです。ただ、覚えておくべき易しい単語まで類推していては試験時間がなくなってしまいます。つまり単語には受験生のレベルに応じて「覚えておくべき単語」と「類推すべき単語」の2種類があるのです。そして分からない単語にも「覚えておくべきなのにまだ覚えていない単語」と「覚える必要はなく類推すべき単語」の2種類があるのですが、やっかいな事に受験生自身にはそれを判断することができないのです(当たり前ですね)。ここで単語帳の索引が役立ちます。長文などを読んでいて分からない単語が索引に載っていれば意味を覚える、載っていなければ類推すれば良いのです。(もちろん、演習が終わった後は辞書で全ての単語を調べ、自分の類推が当たっていたか答え合わせをするのです。)

(9)音声教材の使いやすさと効果

多くの単語帳に音声が付属しています。それらをスマホやMP3プレーヤーに入れておけば、単語帳を開けない環境で聞き続ける定着度がアップします。「英語の発音→日本語の意味」というのが普通ですが、それにとどまらず、例えば英語の発音の後に少し無音の時間(ここで日本語を言うようにする)をおいて日本語の意味が流れたり、英語→日本語→英語の後に無音部分があったりなど、暗記しやすい工夫がなされている教材はポイントが高いです。

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2.英語の単語帳ごとの特徴

では上記のポイントごとに、Aタイプの単語帳を比較してみます。

(1)「中学英単語1850」(学研)

持ち運び★★☆小さいが薄くはない(399ページ)
章分け★★★難易度別5段階
並び方☆☆☆メチャクチャ。この本唯一の弱点
意味数★★★意味・語法が多く載っている。
例文★★★意味語法ごとに例文がある。
知識★★☆一番始めに文法・熟語のまとめがある
索引★★★1単語が1ページに対応して引きやすい
音声★★☆単語のみだが工夫がある(英→和→英→無音(暗唱する))

総評:★★★★☆

並び順がメチャクチャなのが気にならない生徒なら、
意味・例文が充実しているので単語帳としては一番のおすすめ

(2)「キクタン高校入試レベル」(アルク)

持ち運び★★☆標準的な大きさと厚さ(275p)
章分け ★☆☆学年別3レベル
並び方 ★☆☆品詞順に並んでいるので品詞は覚えやすい
意味数 ★★☆レイアウトが固定され意味が最大2つしか無い。
例文  ★☆☆例文も最大2つしか無い。
索引  ★★☆重要語は複数ページが記載されている
知識  ☆☆☆まとめはほとんど無い
音声  ★★☆用例と例文2つ(英語→日本語)

総評:★★☆☆☆

学年ごとの章分けなので、受験生用の単語帳としては余りおすすめしません。中1・中2の生徒が予習に使うのにはよいかもしれません。

(3)「ターゲット1800」(旺文社)

持ち運び★★☆小さく厚め(448p)
章分け ★★★難易度別5段階
並び方 ☆☆☆メチャクチャ
意味数 ★☆☆少ない
例文  ★☆☆少ない
索引  ☆☆☆散らばっている
知識  ★★★文法・熟語の充実したまとめ
音声  ★★☆単語(和→英)と例文(英のみ)

総評:★★★★☆

並び方がメチャクチャですが、文法の復習や熟語の暗記もこれ一冊でかなり出来るので、塾に通わずに勉強をしたい受験生には特におすすめ。

(5)データベース1700(桐原書店)

持ち運び☆☆☆(255p)
章分け ☆☆☆
並び方 ★★★品詞別に、さらに似た語・反対語などがまとまっていて覚えやすい
意味数 ☆☆☆
例文  ☆☆☆
索引  ☆☆☆
知識  ☆☆☆
音声  ★★☆単語(英→和)と例文(英のみ)。

総評:☆☆☆☆☆

(5)「グループでまとめて覚える中学英単語」(旺文社)

持ち運び★★☆薄め(208p)
章分け ☆☆☆なし
並び方 ★☆☆つづり・発音ごとの並び方と意味ごと
意味数 ★☆☆あっさり少なめ
例文  ★☆☆重要単語については各ページの下に少し
索引  ★★★1単語が1ページに対応
知識  ★☆☆少しだけ
音声  ★☆☆単語のみ(英→和)

総評:★★☆☆☆

受験生というよりは英語に強い興味がある中学生の「2冊目」の単語帳として、または英語に慣れたい小学生と保護者向けでしょうか。

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